ちょくろくキャメラ

ライカの良さって何?を探す旅をはじめました

デジタル写真も間違いなく写真です

フィルム写真はその場を切り取っているから写真だけど、デジタルは編集できるから本当の意味での写真ではないと言う人がいます。

「デジタルは編集できるから違う」というのを根拠にしています。

本当にそうでしょうか?なぜフィルムは編集されていないと思うのでしょうか?

 

フィルムカメラ光を化学変化させる物理現象を利用した工業製品です。フィルムによって色って違いますよね。なぜでしょうか?

これは各メーカーの技術者達が、高感度、高画質を追い求め「光によって化学変化するスピードを制御」し、ダイナミックレンジを広げたり、にじみをなくすなど綺麗な絵を作り出すためにフィルム開発をしています。なので様々な種類のフィルムがあります。

メーカーの編集(レタッチ)がすでにフィルムで始まっています。

その後、現像、印刷と進みますが、もう説明する必要もありませんね。すべての現像、印刷もメーカーによって異なり、技術をしぼって顧客獲得のため時代にマッチした発色をさせます。さらに部材の劣化や機械の調整など、デジタル時代よりも繊細な調整が要求されます。Raw現像と何が違うでしょうか?自分がやっているか、他人がやってるかの違いしかありません。

 

デジタルカメラ光を電気変化させる物理現象を利用した工業製品です。イメージセンサーは微小な光を検出するため、高感度、低ノイズ対策をしています。そういう意味ではイメージセンサーの方がより真を映しています。ただセンサーが監視している光を画像処理しなけばいけませんので、メーカーによって色が違うのはここになります。イメージセンサーが写真をつくっているわけではありません。センサーは光を検出しているだけです。その信号をマイコンFPGAで画像処理をして絵を作っています。ここがフィルムに当たる部分になりますね。

デジタルのよさは、ここで我々ユーザーが編集に介入できる点にあります。もちろんフィルム時代も介入できたでしょう。「ネガのこの色のところはこの色にしたいから~」など印刷機の条件変更などで対応できるでしょう。いくらでそんなことやってくれるかわかりませんが、不可能ではないということです。

フィルムとデジタル、化学反応と電気変化で手法は変わりましたが、思想はまったく変わっていません

 

ちゃんとフィルムカメラを愛用していた方達はこんなこと言いません。

フィルム時代は

「フィルムはこれが好きなんだよね」

「現像はあそこに出した色が最高なんだよ」

「印刷が綺麗で発色が強いのはこの店で、コントラスト低く出してくれるのがあの店」

今は全部パソコンに置き換わっちゃったから楽でいいよね。でも足で稼ぐフィルムの方も楽しいぞーって言ってます。ちゃんと、今も昔も同じことをやっているけど、やり方が違うだけと理解しています。

 

「フィルムは真を映す写真」で「デジタルは編集しているから違う」と思っている人は原理原則をもう一度考えてみてください。シャッターを押した後、どんなプロセスを経て私達が見れる映像になっているか。すべて理解できれば、やっていることは同じだとわかるはずです。手段が違うだけです。どちらも画像処理です。

 

デジタルが真を写していないのであれば、フィルムも真なんて写していません。一緒です。デジタルが編集している、フィルムもちゃんと人によって編集されています。自分じゃないってだけです。

すべて物理現象を利用した先人の技術であり、現在までの進化です。

絵と文字でしか記録できなかった時代に、光でその場を記録できたら「これは真を写している」となるでしょう。だから写真と呼ぼうと。こっちの語源の方が自然ではないでしょうか?

でもこの時代からフィルムを作った技術者の思想がめいいっぱい入っています。現像した人の思想、印刷した人の思想。各々自分の持てる技術を使って綺麗に絵にしようとしています。カメラは自然現象ではありません。なんども言いますが物理現象を利用した工業製品です

 

ではPhotoshopは写真じゃないだろう。いえ、昔から多重露光で合成しています。手法が違うだけで思想は同じです。どこからが写真じゃないでしょうか?そんな基準ありませんよね。すべて写真です。光を物理的・科学的に映像化したら写真です。

アナログは正しくて、デジタルは違うなんてありません。好き、嫌いしかないはずです。

 

こんなことを書くと私の記事を読んでくれる人が減るだろうなと思い、投稿をやめようと思いましたが、デジタルは違うという人はすこしゆるせないです。正直に嫌いと言えばいいのにと思います。

これも何度もいいますが、デジタルが嫌いというのは感情の話なのでそれを批判しているわけではありません。私もアナログの方が好きなものはたくさんあります。好き嫌いは多様性の話です。

もうこんな投稿は最後にします。次からはまた写真の投稿をしていきます。それでも見ていただける方はありがとうございます。